川口隆夫ディレクション企画 「舞踏 ある視点」
川口隆夫 『ミノタウロ・ディスコ』

『ミノタウロ・ディスコ』(約40分)


BUTOHスナック(約45分)


BUTOHスナック 世界編 - Chinese Talk(約45分)

日本語字幕:チャン・イン、溝端俊夫


アーティスティック・ディレクターの川口隆夫が振付・演出を手がけた新作です。舞踏家・吉本大輔とコンテンポラリーダンサー・酒井直之。数世代を分かつふたりが、迷宮に棲む怪物を通して新たなダンスの地平を切り拓きます。また、映像作家・鈴木章浩が単なる舞台公演の記録ではなく、’60年代のアンダーグラウンド・フィルムを思わせる映像世界へと誘います。

参加アーティストについて

吉本大輔は大野一雄『ラ・アルヘンチーナ頌』初演(1977年)、同『私のお母さん』(1981年)の舞台監督を務め、1981年からは舞踏家となり、独自の活動を展開してきました。

酒井直之は2012年から19年までダンスカンパニー〈Co.山田うん〉に所属し、国内外の公演に多数出演してきました。山田うん、岩渕貞太を通して舞踏についての関心を深め、自身のソロパフォーマンスで白塗りをして踊るなど、舞踏とは何かを探っているコンテンポラリー・ダンサーです。

それぞれと親交をもつアーティスティック・ディレクターの川口隆夫は、舞踏のメインストリームではない場所で活動するふたりのダンサーをひきあわせ、出会いによって生まれるシナジーから舞踏の現在にアプローチすることを試みました。彼自身もダンサーとして登場します。

さらに川口は、長年に渡りアンダーグラウンドな映像作品の制作・配給を手がけている映画作家・プロデューサーの鈴木章浩に撮影と編集を依頼しました。

ミノタウロ・ディスコについて

『ミノタウロ・ディスコ』は、川口が吉本とデュオでフレッド・アステアのステップを踊る作品を上演した経験から着想されました。タップを踏む足音が地下空間の奥から聞こえてくるイメージが、迷宮に閉じ込められた牛頭人身の怪物、ミノタウロスにつながっています。床に描かれた曲線は、迷宮でもあり、脱出のためのアリアドーネの糸でもあります。

ダンサーは全身に白塗りを施して登場します。塗られているのは石膏で、時間が経つにつれ断片となって剥がれ落ちていきます。石膏塗りは、土方巽が『あんま』(1963年)で用いた演出です。

赤い靴を履いたミノタウロスはステップを踏み、床に描かれた曲線を辿り、ワルツを不敵にデュエットします。石膏が剥がれ露わになっていく肌のテクスチャーや息づかいを生々しく捉える鈴木のカメラワークによって、アヴァンギャルドなダンス・フィルムが完成しました。




BUTOHスナック 世界編 - Chinese Talk

上海出身、現在は日本を拠点に独自の活動を展開するふたりのスピーカー、張子萱(オーラ美術株式会社マネージャーアシスタント)と張穎(フリーランス通訳・TRU翻訳者)が、川口隆夫『ミノタウロ・ディスコ』を見た感想や舞踏に対するイメージなどをディスカッションします。
生配信中はチャットをオープンしますので、ぜひご参加ください。中国語でのディスカッションですが、チャットの書き込みは日本語も可です。

BUTOH SUNAKKU(世界篇) - Chinese Talk

BUTOH SUNAKKU(世界篇)是一档外语访谈节目。邀请对日本文化有着深入了解的外国友人,在充满日本风情的东京上野池之端的藤井和服店,介绍他们观看的Tokyo Real Underground的展览和演出,与大家分享舞踏的魅力。

这次我们邀请了两位中国嘉宾。一位是从小就与舞蹈结缘的资深翻译张颖,另一位是刚从美国乔治华盛顿大学艺术史专业毕业的张子萱。中文直播开始时间为北京时间5月16日19:30(日本时间20:30)。直播时,欢迎大家一同参与,在聊天窗口写下您的评论和感想(中英日均可)。

アーティスト

Photo by 鬼海弘雄

吉本大輔|Daisuke Yoshimoto

日本大学芸術学部演劇学科で舞台美術を専攻。舞踏の創始者大野一雄の名作『ラ・アルヘンチーナ頌』『わたしのお母さん』等の舞台監督を経て、1981年より舞踏家としての自身の活動を開始。07年に舞踏カンパニー天空揺籃を設立、国内外で精力的に活動を展開する。なかでもポーランドを代表する演出家グロトフスキの研究所との関わりはとりわけ深く、同国での舞踏波及の契機を作った。

酒井直之|Naoyuki Sakai

1991年生まれ。ダンサー、映像作家。東京藝術大学大学院修了。パーキンソン病と共に生きる人々との芸術活動「ダンス・ウェル」 講師。2012〜2019年〈Co.山田うん〉に所属し、国内外の公演に多数出演。山田うん、岩渕貞太から隔世遺伝的に舞踏の影響を受ける。 2020年より春日部市を拠点に、イベントの企画や、ダンス映像の配信を行う。その他、RADWINPS等の音楽ライブへの出演、長谷川白紙、Salyu等のMV出演等、舞台、映像問わず活動を展開。
https://naoyukis330.wixsite.com/naoyukisakai330

鈴木章浩|Akihiro Suzuki

1980年代終わりより8mmによる個人映画を制作開始。アンダーグラウンド、セクシャリティ関連を中心に、映画の監督、制作、配給、映画祭、上映企画など多岐に渡って独自の活動を続ける。2020年にはアングラ映画配信サイト『Art Saloon』を開設し、アングラ映像の配信・アーカイブ事業を開始した。主な監督作に『天使の楽園』(1999)、『ルナの子供』(2009)、映画祭企画に『アンダーグラウンド・アーカイブス』(2001)などがある。
関連リンク:『Art Saloon 』https://art-saloon.site/

川口隆夫|Takao Kawaguchi

1996年よりパフォーマンスグループ「ダムタイプ」に参加。2000年よりソロ活動を開始し、演劇・ダンス・映像・美術をまたいでパフォーマンスの幅広い可能性を追求する。08年より私的パフォーマンスシリーズ『a perfect life』を展開し、13年に第5回恵比寿映像祭に参加。近年は舞踏に関するパフォーマンス作品『ザ・シック・ダンサー』(田辺知美と共に、12年)、『大野一雄について』(13年)を発表。後者はニューヨーク・ベッシー賞にノミネートされ、18年にはパリ市立劇場でも上演された。
http://www.kawaguchitakao.com/

モデレーター

MP Risaku Suzuki

住吉智恵|Chie Sumiyoshi

アートプロデューサー、ライター。東京生まれ。慶応義塾大学文学部美学美術史学専攻卒業。1990年代よりアートジャーナリストとして活動。アートスペース&バーTRAUMARIS主宰を経て、現在は各所で現代美術とパフォーミングアーツの企画を手がけている。2011〜2016年 横浜ダンスコレクション/コンペ2審査員。2016年より「ダンス保育園!!実行委員会」代表。2018年より日英バイリンガルのカルチャーレビューサイト「RealTokyo」ディレクター。
http://www.realtokyo.co.jp

Chinese Talk - ゲスト

張 穎|Zhang Ying

上外日本文学硕士。1998年开始中日同传,2003年赴日。现从事口译笔译、双语主持、采访撰稿、讲师、拍摄、项目协调、PR等工作。译作《一幅画看日本》(高畑勋 著)、《依存与自立》(黑川雅之 著)等。从小与舞蹈结缘,学习古典芭蕾和民族舞蹈约10年,东亚文化之都2014横滨《青少年芭蕾周》项目协调,大野庆人先生舞踏坊口译以及表演拍摄,“TOKYO REAL UNDERGROUND”官网翻译等。
微博 @Ying的絶対視感 


中国上海出身、上海外国語大学日本文学修士。1998年に日中同時通訳デビュー、2003年に来日。フリーランス通訳、翻訳、語学講師、バイリンガル司会、コーディネーター、ライター、写真作家、広報など幅広く活動。翻訳書に『一枚の絵から』(高畑勲 著)、『依存と自立』(黒川雅之 著)など。小さい頃に10年間バレエと中国民族舞踊を習い、東アジア文化都市2014横浜「ユース・バレエ・ウィーク」のコーディネーター、大野慶人の舞踏ワークショップの通訳やパフォーマンスの撮影、「TOKYO REAL UNDERGROUND」の公式翻訳など、Danceとのご縁はまだまだ続く。
Weibo @Ying的絶対視感 

張子萱|Zhang Zixuan

上海人,2021年毕业于乔治华盛顿大学艺术史和日语语言文学专业。2019年来到东京,目前在亦安画廊(aura gallery)担任主管助理,同时自主研究日本当代艺术和陶艺。https://www.aura-art.co.jp/


中国上海出身。2021年ジョージ・ワシントン大学卒、美術史と日本語を専攻。2019年に来日。現在はオーラ美術株式会社のマネージャーアシスタント、日本現代美術と陶芸などを研究。 https://www.aura-art.co.jp/

Credit

出演

吉本大輔

酒井直之

振付・出演

川口隆夫

撮影編集

鈴木章浩

音響デザイン

高木創

アシスタント

田辺知美

立石裕美

北村教子

写真

Rokka Ando

協力

天空揺籃

舞台監督

河内崇

呂師(砂組)

照明デザイン

森規幸(balance,inc.DESIGN)

撮影協力

NPO法人LAND FES

スチール写真

中川達彦

主催

東京都

公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京

企画運営

NPO法人ダンスアーカイヴ構想

Special thanks to:

End Cycle Project


“End Cycle / 終の環 / Završni krug”(2017/デジタル/カラー/DCP/18分)

企画・監督

ヴラディスラブ・クネジェヴィッチ

振付・出演

川口隆夫

ヴラディスラブ・クネジェヴィッチ(映像作家)

佐藤亜希子(石膏造形)

三宅文子(プロデューサー)