ウィリアム・クライン写真展 「GINZA 1961 街が主役の写真展」街歩き型AR 「ダンス・ハプニング・トゥデイ」

BUTOHスナック TRUエキシビション編(約70分)

特別付録




トークゲストに専門家やアーティストを招き、「TRUエキシビション」の各作品の背景や見どころ、知ればさらに楽しめるポイントなどを紹介していきます。その横で、日本を代表する舞踏家がまるで彫刻のように佇み、微細に動く「舞踏家展示」を行います。舞踏が作り出す空気感の中でトークが進行する、新しいタイプのイベントです。

ウィリアム・クラインは、1961年に来日し、高度経済成長時代のエネルギーに沸き返る東京のさまざまな姿を撮影しました。歴史的写真集『東京』はその豊穣な果実です。とりわけ、東京滞在の最後の1日に、土方巽、大野一雄、大野慶人を新橋と銀座の路上で撮影した一連の作品に、写真としての素晴らしさは言うに及ばす、舞踏の黎明期を語る最重要な歴史資料として、私たちダンスアーカイヴ構想は特別な関心を寄せてきました。

TRUの展示プログラムとして、ウィリアム・クラインのオフィスFILMS PARIS NEW YORKの協力を得て「ダンス・ハプニング」とクライン自身が呼ぶ1961年の路上パフォーマンスを映した350点以上の写真群全容を、クライン氏が撮影した地点で、当時と現在の風景を重ねながら見ることができる「街歩き型AR」で公開しています。

photo by Tatsuhiko Nakagawa

あわせて、まさにクラインが1961年に撮影を終了した地点である、地下鉄銀座駅改札に繋がる地下歩道で、銀座と新橋で撮影した写真10点を壁一面に出力した「GINZA 1961 街が主役の写真展」を開催しています。

ウィリアム・クライン初来日からちょうど60年がたちました。クライン氏は、4月19日に93歳の誕生日を迎え、パリで元気に過ごされていると聞いています。この貴重な節目に、本展ディレクターの飯名尚人、美術評論家 光田由里、2005年からクライン氏と交流を続ける溝端俊夫が「ダンス・ハプニング」写真について語ります。

トークの中で舞踏家を展示する「舞踏家展示」第2弾には、伝説の舞踏家、ビショップ山田が登場します。

ゲスト

光田由里|Yuri Mitsuda

多摩美術大学アートアーカイヴセンター教授。富山県美術館ほかで学芸員として勤務。20世紀美術史・写真史。著書に『高松次郎 言葉ともの』(水声社2011)、『写真、芸術との界面に』(青弓社、2006)ほか。共著にFor a New World to Come: Experiments in Japanese Art and Photography(Yale University press, 2015)、Provoke: Between Protest and Performance(Steidl, 2016)ほか。企画展に「ハイレッド・センター 直接行動の軌跡」(2013-4)、「鏡と穴―写真と彫刻の界面」(2017)、「描く、そして現れる―画家が彫刻を作るとき」(2019)など。

Photo by 郑渊波

溝端俊夫|Toshio Mizohata

1983年大野一雄舞踏研究所入所。以来大野一雄、慶人の国内外の活動に制作、照明デザインなどで携わる。また、大野一雄舞踏研究所の主催する企画、「百花繚乱」(2007)や「Antony and the Ohnos」(2010)を制作する。1990年代から大野一雄のアーカイヴ資料を整理し、『大野一雄 稽古の言葉』をはじめ、書籍、ビデオ等を多数出版。2004年よりBankART1929の設立に参画し、大野一雄フェスティバルを開催。2016年NPO法人ダンスアーカイヴ構想を設立、アーカイヴ資料を活用して、新たな創作をする「ダンスアーカイヴプロジェクト」を展開中。

飯名尚人|Naoto Iina

映像作家・演出家・ドラマトゥルク・映像セノグラファー・プロデューサー。Dance and Media Japan主宰、国際ダンス映画祭主宰。東京造形大学准教授、座・高円寺劇場創造アカデミー講師 。映像・身体・言葉を用いてジャンル横断的作品を手掛ける。オンライン舞踏番組「Re-Butoooh(リ・ブトー)」(NPO法人ダンスアーカイヴ構想)では、演出・構成・撮影・編集を担当している。

舞踏家展示

ビショップ山田|Bishop Yamada

1948年東京に生まれる。1968年から土方巽作品にダンサーとして出演する。 1972年麿赤兒らと共に舞踏集団大駱駝艦を結成する。1974年大駱駝艦を脱退後、1975年北方舞踏派結成記念公演「塩首」を山形県鶴岡市の舞踏塾グランカメリオで上演、高い評価を得た。1976年北海道小樽市に移り、シアター海猫屋を開設。1998年には、キエフのウクライナ国立歌劇場にて、キエフバレエ団のバレエダンサーを振付、「暗黒の翼」を上演、同年東京芸術劇場で同作をリメイクし「オデットに夜の扉を」として上演した。2017年山梨県甲斐市に、上福沢舞踏宿ソコミを設立した。

ウィリアム・クライン写真展
「GINZA 1961 街が主役の写真展」

この展示は終了しました

2021年4月1日(木)~7月13日(火)

銀座地下歩道(銀座駅・東銀座駅間地下通路)

1961年に初来日した写真家ウィリアム・クラインは、約2ヶ月間東京の街を駆け回って撮影し、64年に写真集『東京』を発表しました。その中から銀座を写した10点をセレクトし、壁いっぱいに引き伸ばして展示します。オリンピックを控えて混乱と熱気に包まれていた都市を、世界的写真家の眼はどう捉えたのか。日常の風景の中に、突如として60年前の景色が現れる、都市型の写真展です。

アーティスト

ウィリアム・クライン|William Klein

ニューヨークに生まれ育ち、パリでフェルナン・レジェに絵画を学ぶ。1952年より、写真技術を用いた実験的表現を模索。56年に故郷ニューヨークを写した初の写真集を刊行した後、世界の大都市をテーマにした写真集を次々に出版する。従来のタブーを破った広角の構図、粗いテクスチャ、強烈なコントラスト、型破りなフレーミング等は、続く世代に多大なる影響を与えている。



Credit

展示デザイン

草梛亮(nagidesign inc.)

展示制作

株式会社フロムトゥ

街歩き型AR「ダンス・ハプニング・トゥデイ」

2021年4月1日(木)~8月15日(日)

銀座・新橋路上およびオンライン

1961年の雨上がりの銀座・新橋街頭で、のちに舞踏の創始者とされる土方巽、大野一雄、大野慶人の路上パフォーマンスを撮影した写真家ウィリアム・クラインの足跡を辿ります。地図に示された場所へ赴き、スマートフォンをかざすと、そこで撮影された一連の写真を見ることができます。街そのものを展示空間にみたて、1961年と2021年の風景を重ね合わせながら350点超の写真を鑑賞する、新感覚の街歩き型AR作品。
※ 現地に行かない場合でも、オンラインにてご覧いただけます。

写真鑑賞スポット

銀座・新橋エリアに、全部で7箇所のスポットがあります。各スポットは、撮影の時系列に沿って1〜7の番号が振られています。
・新橋エリア:  西新橋2丁目交差点付近 (3スポット)
・銀座エリア:  銀座4丁目交差点付近 (4スポット)

鑑賞方法

60年前に撮影された350点超の写真を、お手持ちのスマートフォン/タブレット等で鑑賞できます。銀座と新橋の実際の撮影地点で、当時と現在の風景を重ねてお楽しみください。

※マップの表示範囲に上限を設けております。ユーザーの位置情報が取得できない場合、もしくは前述の上限の範囲外にある場合は、マップ上のユーザー位置情報表示はデフォルト位置にセットされ、位置情報の自動更新は行われません。あらかじめご了承ください。

現地に行く場合

上記の鑑賞スポットの近くで、「AR体験をはじめる」ボタンをクリックします。(GPSとカメラの使用をブラウザに許可してください。)

鑑賞スポットにピンが立った地図が表示されます。現在地は、点滅する水色の丸印で示されます。
鑑賞スポットに近づいてピンをクリックすると、そのスポットで撮影された写真が再生されます。

地図上に示されたピンとルートを手がかりに、撮影地巡りをすることができます。
ピンには番号が振られていますが、どこから始めても大丈夫。お好きな順番でお楽しみください。

現地に行かない場合

お好きな場所で、「AR体験をはじめる」ボタンをクリックします。(GPSとカメラの使用をブラウザに許可してください。)

鑑賞スポットにピンが立った地図が表示されます。
ご覧になりたいスポットのピンをクリックすると、写真が再生されます。

目の前に、60年前の銀座・新橋の風景が立ち上がる体験をお楽しみください。

利用上のご注意

  1. AR体験を始める時は、天候や周囲の状況などをよく確認してください。
  2. スマートフォン/タブレットを操作するときは、周囲の安全を確認した上で、立ち止まって操作してください。
    1. 特に人が多く集まる場所では、周囲の環境や他の通行人の方々にご配慮ください。
  3. 移動するときは顔を上げ、周りの人や物など、周囲の状況をよく確認してから移動してください。
    1. 交通ルールをはじめ、公共のルールを遵守ください。
    2. 歩行中や、自動車や自転車を運転中の危険な「ながらスマホ」は、大変危険ですのでおやめください。画面に意識が集中してしまい、周囲への注意が行き届かず、思わぬ怪我や事故、トラブルにつながるおそれがあります。
  4. AR体験中に起きた事故やトラブルに関しては責任を負いません。充分ご注意ください。


AR制作:HAUS
ディレクション:飯名尚人

HAUS

竹田大純(Hirozumi Takeda)、林洋介(Yosuke Hayashi)、稲福孝信(Takanobu Inafuku
システム開発からデザインまで幅広く手がけるチーム。近年の主な活動に、デザインあ展《デッサンあ》のエンジニアリング、チェルフィッチュ×金氏徹平『消しゴム山』特設ウェブサイトのデザイン・開発、サウンドパフォーマンス用ライブコーディング言語「P-Code」の設計・実装等。




ウィリアム・クライン「GINZA1961 街が主役の写真展」「ダンス・ハプニング・トゥデイ」関連企画

William Klein Day


ウィリアム・クラインが新橋、銀座の路上で土方巽らを撮影したのは、1961年6月27日。ちょうど60年目にあたる、2021年6月27日を、William Klein Day として、「GINZA1961」展示作品の一つである「Crab Dancer」のオリジナルプリントと、クライン氏と親交があり同時期に大野一雄を撮影した細江英公氏のオリジナルプリントを銀座の若山美術館で特別公開します。また、AR「ダンスハプニング・トゥデイ」のガイドツアーを行います。



展示「William Klein Day」

2021年6月27日 11時から17時
若山美術館 (中央区銀座2-11-19 国光ビル4F・5F) 
入場無料 予約制(下記のリンクからご予約下さい)

*予約は終了しました



内容

ウィリアム・クライン「Crab Dancer」(1961) オリジナルプリント

「東京 TOKYO」に所収され、現在銀座地下歩道で展示中の一点。土方巽、大野一雄、大野慶人の路上パフォーマンスを新橋の裏路地で撮影。昨年大野慶人氏の逝去にあたり、ウィリアム・クライン氏から大野ファミリーに贈られたプリントを特別公開します。

細江英公「ディヴィーヌ抄Ⅱ」(1960) オリジナルプリント

「人間写真集 胡蝶の夢」所収。1960年、東京の目黒、油面の路上で踊る大野一雄を捉えた一点。2006年大野一雄の百歳を記念して行われた写真展「秘する肉体」(コニカミノルタプラザ)で展示されたプリントを再公開します。
同時に、大野一雄アーカイヴが保存するオリジナルプリントを間近に見る機会を提供します。荒木経惟、石内都が大野一雄を被写体としたオリジナルプリント、ティム・ウォーカーが大野慶人を被写体としたオリジナルプリントを見られます。迫力ある写真群に触れるまたとない機会です。感染症対策を施しながら予約者限定の入れ替え制で行いますので、ご協力をお願いします。

写真協力 大野一雄舞踏研究所 
会場協力 若山美術館

AR「ダンス・ハプニング・トゥデイ」ガイドツアー

2021年6月27日 14時から17時の間
銀座、新橋周辺
参加無料 予約制(下記のリンクからご予約下さい)
ガイド 森下隆(土方巽アーカイヴ)

*予約は終了しました

内容

銀座コース(定員10名) 所要約30分

14:00 銀座地下展示前集合 四丁目交差点周辺を散策します。


新橋コース(定員10名) 所要約45分

16:00 新橋駅SL広場集合 西新橋周辺を散策します。


AR「ダンス・ハプニング・トゥデイ」では、スマホを使って、1961年の写真を現在の風景に重ねてみることができます。土方巽アーカイヴの森下隆氏にガイドをお願いし、ウィリアム・クラインと舞踏家達が新橋と銀座を実際に動いた足どりを辿るツアーを企画しました。
スマホのカメラ機能を使用するため、電力の消耗が早いです。十分に充電してご参加下さい。また、こちらでモバイルルーターを準備しますので、お使い頂けます。
スマホの機種やOSによって不具合が生じる場合があります。あらかじめ御了承ください。


※本展は新型コロナウイルスの感染拡大防止対策を徹底して実施します。ご来場のお客様におかれましても感染症対策へのご理解・ご協力を賜りたく、 感染拡大防止対策について に記載の内容をご一読のうえ遵守くださいますよう、お願い申し上げます。