オンラインシンポジウム 「舞踏ディアスポラ」
(約130分)
世界各地に根を張って地道に舞踏活動を続けてきた日本人アーティストが結集し、世界のBUTOHの現在について語り合うオンラインシンポジウム。ドイツのゲッティンゲンから遠藤公義、ベルリンからカセキユウコ、アメリカのロサンゼルスからOguri、イタリアのトスカーナから竹ノ内淳志、ブラジルのサンパウロから田中トシ、そしてオーストラリアのメルボルンからは、ゆみうみうまれ。文化背景の異なる人々がBUTOHをどのように受け止めているのか、現場からの声を聞く貴重な機会となります。
この企画では、パンデミックを通過したアーティストたちから世界のBUTOHの状況について、現場の声を聞いていきます。今日、舞踏は「Butoh」として広く国際的に知られ、世界各地でそれぞれ独自の発展を遂げていますが、その全体像は朧げです。国内外に限らず、想像を超えた変容の可能性を秘めている現象「舞踏という何か」の今を捉えます。世界各地に根を張って地道に舞踏活動を続けてきた日本人アーティストが一堂に会すオンラインシンポジウム「舞踏ディアスポラ」にご期待ください。
アーティスト
Photo by Udo Razdkowski
遠藤公義|Tadashi Endo
ゲッティンゲン在住。70年に渡独、ウイーンのマックスラインハルト演劇学校演出科で学び、ドイツ各地の劇場で俳優、演出家、振付家として活動。80年にダンスを始め、89年の大野一雄との出会いを機に舞踏の道に進む。92年、舞踏フェスティバル「MAMU Butoh & Jazz」を開催、同時に舞踏センター「MAMU」を創立。テレビや映画、オペラにも多数出演。近年は、アメリカ、カナダ、ブラジル、メキシコ等でも現地のダンサーや俳優との作品づくりを毎年行っている。
Photo by Miles-Ciro Hurtado
Oguri
ロサンゼルス在住。1984年、土方巽アスベスト館舞踏講座/踏天寮に在籍。85年、田中泯が主宰する「舞塾五期/身体気象農場」に参加。91年に渡米、ロサンジェルスを拠点にBody Weather Laboratory -Los Angelesを立ち上げ、以来市や郡の助成を受けながら活動を継続。09年、ARCANE Collective を結成。カリフォルニア大学ロサンジェルス校(UCLA)、ベニントン・カレッジでも教鞭を執る。
Photo by Barbara Dietl
カセキユウコ|Yuko Kaseki
ベルリン在住。故古川あんず氏に師事し、ドイツのブラウンシュバイク市立芸術大学パフォーミングアーツ科に在籍した。1995年、カンパニーcokaseki を設立。 ソロ、デュオ、アンサンブル作品、即興公演をヨーロッパをはじめ世界30カ国にて上演する。 舞踏の身体性を基にパフォーマンス、即興の手法を取り入れ、現代社会の矛盾をテーマに、オブジェクト、テキスト、サウンドランドスケープと共に詩的、絵画的作品を創る。
Photo by Georges Karam
竹之内淳志|Atsushi Takenouchi
トスカーナ在住。1980年、「北方舞踏派」に入門。『鷹ざしき』にて舞踏の創始者土方巽に振付を受ける。1986年ソロ活動開始。「じねん舞踏」を始め、日本全国600ヶ所巡演。大野一雄・慶人に舞踏の心を学ぶ。02年、西欧に拠点を移し、各国で公演やワークショップを行う。舞踏映画『Ridden by Nature』(2014)にて各国36個の映画賞を受賞。15年、トスカーナにて舞踏学校を開設。
Photo by Fábio Pazzini
田中トシ|Toshi Tanaka
サンパウロ拠点。十代で美術を学んだ後、ジャパン・フルクサス、ロックバンド・タコ 等を経て舞踏と出会う。81-84年、原田伸雄率いる舞踏靑龍會に参加。同時期、川仁宏と ボイスパフォーマンス・マウスピースで活動。86−88年ユーラシア大陸単独自転車横断アクション。94年、ブラジル・サンパウロに拠点を移す。96年、ユニット風舞妙韻を立ち上げる。03年より、シサ大野と共にパフォーマンス風楽を始める。現在、南米大陸に蠢く体たち、がテーマ。
Photo by Gregory Lorenzutti
ゆみ・うみうまれ|Yumi Umiumare
メルボルン在住。クラシックバレエやモダンダンスを学び、1989年大駱駝艦に参加。大駱駝艦の91年豪州ツアーに参加したことをきっかけに、93年、メルボルンに移住。舞踏キャバレエ主宰、ButohOUT!フェスティバルディレクター。多国籍の難民やアボリジニーのコミュニティー、身体障害を持つ人々と共に制作するプロジェクトに多数携わる。近年は「踊り」「お茶」「スピリット」の三本柱で、舞踏に限らない活動を深めている。
モデレーター
Photo by 宮川舞子
松岡大|Dai Matsuoka
2005年より山海塾に舞踏手として参加。『金柑少年』『とばり』『卵熱』『ARC』などの主要作品に出演中。11年より、街を歩きながらミュージシャンとダンサーによるパフォーマンスを鑑賞する「LAND FES」を主催。18年より小田原市にて、障がいのある人ない人共にダンスを創る「スクランブル・ダンスプロジェクト」で講師を務める。様々な舞踏家によるオンラインレッスンプラットフォーム「BUTOH CHOREO LAB」主宰。