全プログラム8月15日まで配信中
川口隆夫ディレクション企画 「舞踏 ある視点」
リヴァー・リン 『これは具体か?』
共同制作:Taiwan Contemporary Culture Lab
コンセプト:リヴァー・リン (林人中)
パフォーマンス:エリック・ツァイ(蔡承翰)、チエン・シーハン(簡詩翰)、チャン・ユンチェン(張勻甄)、リヴァー・リン(林人中)
※レクチャーと対談は、英語で行います。日本語字幕は後日公開予定です。
アーティストステートメント
具体美術協会は、吉原治良を中心に1954年に兵庫県芦屋にて設立された、戦後日本を代表するアーティスト集団/芸術運動であり、先駆的でラディカル、かつパフォーマンスの要素を取り入れた実験的なアプローチで知られている。1956年に発表された「具体美術宣言」には次のように書かれている。「具体美術は物質を変貌しない。具体美術は物質に生命を与えるものだ。」
電球を身に纏い、木枠に入った紙を突き破って通り抜け、泥の中で動き回り、足で絵を描き、塗料の入った瓶を投げつけ、舞台上で煙を造形するなど、芸術の境界線に挑み、物質と身体の関係を視覚化し、ライブアートと視覚芸術の概念を交差させてきた。
そうした具体のコンセプトと実践は、パフォーマンス・アートの歴史を方向づけ、今日のライブアートにとって新しい語彙を生み出す刺激となったと言って良い。それがどのようなものであったのかという点が、『具体美術宣言を踊る』の創作の出発点となっている。
本プロジェクトでは「具体美術宣言」をひとつの“舞踏譜”へと変換し、特に田中敦子、白髪一雄、村上三郎、嶋本昭三らの作品を参照しながら、一連のアクション、ムーブメント、ハプニングを「拡張された振付」として再構築することを試みる。集団によるリサーチとリハーサルを通して絵画、彫刻、インスタレーション、パフォーマンスの諸領域を横断する。
リヴァー・リン
川口隆夫ディレクション企画 「舞踏 ある視点」
1960年代の日本で始まった舞踏は、国境やジャンルを超えて、様々なアーティストに影響を与えてきました。本シリーズでは、『大野一雄について』で舞踏の世界に大胆に切り込んでいったパフォーマー川口隆夫が、この芸術様式のアヴァンギャルドな実験精神を引き継ぐアーティストたちに新作を委嘱。ダンス・演劇・音楽・映像・美術とジャンルを横断するパフォーマンスの数々を通じて、「舞踏」の姿を浮かび上がらせると同時に、その周囲に広がる豊かな創造と未来を見つめることを試みます。
撮影は、京成電鉄株式会社の駅舎として1930年代に作られ、「東京都選定歴史的建造物」にも選定されている歴史ある地下空間、旧博物館動物園駅を舞台に展開します。
協力:京成電鉄株式会社
アーティスト
Photo by You-wei Chen
リヴァー・リン|林人中|River Lin
1984年、台湾生まれ。現在パリと台北を拠点に、ヴィジュアル・アートからパフォーマンス、ダンスまで、幅広いシーンで活躍。パレ・ド・トーキョー、フランス国立ダンスセンター、カナル・ポンピドゥーセンター、上海外灘美術館、台北ビエンナーレ2016等で作品を発表。また17年より「ADAM(Asia Discovers Asia Meeting for Contemporary Performance)」キュレーターを務めている。