全プログラム8月15日まで配信中
川口隆夫ディレクション企画 「舞踏 ある視点」
田辺知美 『OWAN』
アーティストステートメント
2020年1月、『身体の知覚』という企画の中の演目で『お椀』を上演しました。会場のアトリエ第Q芸術は、元は日本画家の高山辰雄氏が制作活動をされていたアトリエです。画伯の《食べる》という絵画、その絵の童子が持つお椀に思いを馳せ、迫ってみたいと思いました。人の「食べる」という行為、生活の中の営み。食べ物を入れる器。
その年の年始に読んだ「物の本質に近づくには自分を無しにすることかな」という山口小夜子さんの言葉が妙に印象的で。
お椀を手にゆっくり歩くと、離乳食が始まる頃の乳児の口角からツ-と流れる涎のキラキラが脳裏に浮かび。
流れ落ちる涎を受けて、それは『お椀』になる。
田辺知美
川口隆夫ディレクション企画 「舞踏 ある視点」
1960年代の日本で始まった舞踏は、国境やジャンルを超えて、様々なアーティストに影響を与えてきました。本シリーズでは、『大野一雄について』で舞踏の世界に大胆に切り込んでいったパフォーマー川口隆夫が、この芸術様式のアヴァンギャルドな実験精神を引き継ぐアーティストたちに新作を委嘱。ダンス・演劇・音楽・映像・美術とジャンルを横断するパフォーマンスの数々を通じて、「舞踏」の姿を浮かび上がらせると同時に、その周囲に広がる豊かな創造と未来を見つめることを試みます。
撮影は、京成電鉄株式会社の駅舎として1930年代に作られ、「東京都選定歴史的建造物」にも選定されている歴史ある地下空間、旧博物館動物園駅を舞台に展開します。
協力:京成電鉄株式会社
予告編
アーティスト
田辺知美|Tomomi Tanabe
舞踏家。東京生まれ。大学在学中に踊りを始め、土方巽の稽古に参加。神領國資、大森政秀に師事。ダンス白州、岩名雅記作品等に出演。1997年よりソロ『金魚鉢』シリーズを始める。12年より、土方巽著『病める舞姫』をテキストにしたダンス作品『ザ・シック・ダンサー』を開始。16年より『身体の知覚(カラダノチカク)』に参加している。
Credit
構成・演出・出演
田辺知美
撮影者
今泉浩一
衣装
北村教子
共同演出
川口隆夫
舞台監督
河内崇
舞台美術
呂師(砂組)
照明デザイン
森規幸
照明
三嶋聖子、
三上彩菜
音声・撮影
NPO法人LAND FES
編集
酒本凌
スチール
中川達彦、
和田翼